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父の声と、もう一つの声(箴言5章)

箴言5章は、


不倫の戒めや、


淫婦への警告として読まれる箇所である。


もちろん本文にも、そのことは語られている。


けれども、


最初に聞こえてくるのは、


「わが子よ、私の知恵に注意せよ。


  私の英知に耳を傾けよ。」(箴言5:1)



淫婦の声ではない。


父の声である。


父は語る。


「注意せよ。」


「耳を傾けよ。」


「聞け。」


その呼びかけが続く。


その後でもう一つの声が現れる。



「よその女の唇は蜜をしたたらせ、


  その口は油よりも滑らかである。」(箴言5:3)



こちらも人を引き寄せる。


耳に心地よく響く。


不倫の戒めというより、


対比のように、二つの声と出会うことになる。


父の声と、


そして、もう一つの声。


わが子は、その間に立っている。


どちらの声を聞くのか。


どちらの声に耳を傾けるのか。


箴言5章は、その問いを静かに置いているように見える。



父は語る。


また語る。


何度も語る。


そして、


もう一つの声も語り続ける。


だから父は、



「私の知恵に注意せよ。」



と語るのであろう。


今日もまた、


どの声を聞いているのか。


その問いの前で、


しばらく佇んでみる。


朝の光が差し込む窓辺の木製テーブルに温かい飲み物とトーストが置かれている。穏やかで静かな朝の風景。
父の声と、もう一つの声。今日は、どちらに耳を傾けてるのか。

 
 
 

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